よくあるご質問

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Q

母子手帳をもらってくるように言われたのですがどこに行けば良いのですか

A

母子手帳は東大阪市の場合は東保健センター・中保健センター・西保健センターで交付されます。母子手帳とともに妊婦健康診査の受診券と補助券が渡されます。交付に必要な書類の記載に際してマイナンバーが必要となりますので持参ください。

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Q

妊娠初期に行う検査項目は?

A

ABO式血液型・Rh式血液型・不規則抗体スクリーニング・血算・血糖・B型肝炎抗原・C型肝炎抗原・HIV抗体・梅毒血清反応・風疹ウイルス抗体・HTLV-1抗体・子宮頸がん検診が一般的です。近年、梅毒に罹患している若者が増加してきました。梅毒に関しては胎盤完成前に(16週未満)治療することにより母子感染を予防できますので、早期治療のためにも初期検査は早めの週数で受けることをおすすめします。

Q

葉酸を飲んだ方が良いと聞いたのですが

A

妊娠前から1日0.4mgの葉酸を摂取することで、二分脊椎・脳瘤・無脳症などの神経管閉鎖障害の発生率が低下すると報告されています。神経管の閉鎖は妊娠6週で完成するため、妊娠を予定した段階で内服を開始する必要があります。
妊娠期間を通して内服しても良いのですが、児の喘息のリスクが上昇するという報告がありますので途中で中止されても良いと思います。

Q

つわりがひどいのですが

A

妊娠初期に半数以上に「つわり」が認められます。休養と少量頻回の食事・水分の摂取が有用ですが、5%以上の体重減少や皮膚や口の中が乾燥する脱水症状がある場合は点滴が必要となります。
欧米ではビタミンB6が有効であると報告されていますので葉酸なども含むマルチビタミンの服用も良いと思います。医療用の内服薬としては小半夏加茯苓湯やテルペラン(制吐剤)などがありますが、通院や短期入院で十分な量の点滴を行うのが有効です。

Q

インフルエンザワクチンは接種してもよいのですか

A

妊婦がインフルエンザにかかると母子ともに合併症を起こしやすいので、重症化予防のためにワクチン接種は有効です。妊娠中にインフルエンザワクチンを接種することで生後6ヶ月までの赤ちゃんのインフルエンザ罹患率を減少させるという報告もあります。ただし予防接種を行った場合、その2週間以内には手術を避けることが必要ですので、36週以降におけるワクチン接種は控えて下さい。発症した場合や濃厚接触した場合にタミフルやリレンザの投与が認められています。長時間作用型吸入剤であるイナビルの使用も可能です。いずれの薬剤も母乳移行は少ないことが知られており、授乳を継続してもよいという意見もあります。

Q

血圧が高いといわれたのですが

A

昔は妊娠中毒症と呼ばれていたのですが、妊娠20週以降に高血圧が発症して分娩後12週までに正常化する場合を妊娠高血圧症候群、蛋白尿を伴うものを妊娠高血圧腎症と呼ぶようになりました。40歳以上の方や肥満(BMI25以上)の方に多く、腎症を伴う場合は母児の生命を危うくする合併症(子癇・DIC・肺水腫・常位胎盤早期剥離・胎児機能不全など)を起こしやすいので、入院管理の上で適切な時期に帝王切開などを行う必要があります。低容量のアスピリンが妊娠高血圧腎症の発症予防効果があると報告されているので、患者さんと相談の上で処方することがあります。

Q

妊娠糖尿病(GDM)といわれたのですが

A

妊娠糖尿病の多くは食事療法と運動療法による治療で十分といわれていますが、目標血糖値を達成できない場合はインスリンを使用する場合があります。巨大児や妊娠32週以降で子宮内胎児死亡の危険性が高まるという報告があるため妊娠中期以降は慎重な健診が必要です。GDM女性は将来、糖尿病を発症する可能性が高いことが知られていますので、妊娠の影響がなくなる産後3ヶ月頃に糖負荷テストをおすすめします。

Q

予定日を過ぎても陣痛が来ないのですが

A

予定日を過ぎると胎盤の働きの低下により胎内環境が悪くなります。40週を越えた場合、週に2回超音波やNSTにより胎児の状態をモニタリングします。41週を越えた場合は入院して毎日モニタリングし、子宮口が熟化して経腟分娩可能と思われる場合は分娩誘発を行います。熟化していない場合はぎりぎりまで(42週)待機する選択肢もあります。42週以降では児の死亡率が急上昇することが報告されていますので帝王切開を選択肢として考慮するのが安全かもしれません。

Q

前置胎盤といわれたのですが

A

経膣超音波で子宮の入り口に胎盤があることで経腟分娩ができない場合を前置胎盤といいます。帝王切開による分娩となりますが、妊娠中期以降になると出血することが多いため帝王切開時期としては34週前後になることが多いようです。大量出血により輸血が必要な場合は15%程度といわれています。
前置胎盤の10%程度が癒着胎盤を合併しており、その場合の帝王切開時の出血量は5000mlにのぼります。当院では妊娠8〜9ヶ月ごろにMRIを行い、癒着の可能性が高いと判断した場合は帝王切開後に引き続く子宮全摘出術も視野に入れた体制で手術を行っています。帝王切開や体外受精の増加もあって前置胎盤や癒着胎盤が増加しているように思います。

Q

Rh(D)陰性と言われたのですが

A

日本では母親がRh(D)陰性の場合において、胎児はRh(D)陽性の場合が多いので、Rh不適合妊娠として妊娠管理をします。病態としては1回目の妊娠において胎児のD抗原に母体が感作されることで2回目以降の妊娠時に母体で作られた抗D抗体が胎盤を通って胎児に移行し、胎児の赤血球を破壊します。その結果として胎児貧血や新生児溶血を起こします。
これを予防するために妊娠28週前後と分娩後72時間以内に母体に抗D免疫グロブリンを投与(筋肉注射)します。流産や子宮外妊娠などの場合においてもグロブリンの投与が必要となる場合があります。